おまわりさんこのひとです
おまわりさんこのひとです。というネットスラングがある。
主にニコニコ動画で昔から使われていて、誰かが変態的な発言をした際、警察を呼びましたよという状況を伝えることで冗談めかしく「貴方は変態ですね」と伝える。非常に日本人らしく奥ゆかしい表現である。
そしてこのスラングはさらに変化し、
おさわりまんこのひとです。
というものも使われるようになった。
おまわりさんのアナグラムを利用し、元のスラングからさらにバカバカしさを増した。
ネットのおバカが凝縮されたこの言葉に私はすぐに魅了された。
そこで私は思った。この言葉、どこで切るんだ?
おさわりまん / この人です
おさわりまんこ / の / 人です
前者か後者で意味が大きく変わる。
前者はおさわりまんと呼ばれる人がいて、おさわりまんさんを呼んでいる文である。
対して後者は、第三者を指定し、この人はおさわりまんこ(概念)の人なんですよ。と他者に説明している文だ。英語にしたらおそらく He is Osawarimanko.である。
状況としては前者の文を読まれるとき、私が何かをやらかして、相手が「おさわりまんさん!来てください!この人です!」と叫んでいる感じか。めちゃくちゃ嫌なウルトラマンである。
おさわりまんさんとは面識はないが、名前の通りだとしたらめちゃくちゃ嫌だし、仮にそうでなかったとしてもそう呼ばれてる人はなんか嫌だ。そんなの呼ぶな。
泣いている子供に「おさわりまんが来るよ!」と言えばきっと泣き止む。
対して後者。おさわりまんこ の 人です。
この文は私が今、誰かに「おさわりまんこ」の人を紹介されている状況である。
まずおさわりまんこという単語を「の人」と認識されている異常性がコミカルで面白い。実際会いたくないけど。
この人は普段からおさわりまんこをなさっているのだろう。ほとんど加藤鷹と変わらないが、そう認識されているのだから仕方ない。
しかしそれを紹介されたとして、私はどんな反応を返せばいいのだろう。「は、はぁ…ご立派で。」みたいなことを言えばいいのだろうか。
おさわりまんこの人を前にして私たちが取れる行動は「は、はぁ…ご立派で。」だけである。
このように日本語はどこで切るかで文の意味が変わる。こんな文で確かめることでは絶対にないけど。
私はこの言葉の面白さと戯れながらこれからネットと生きていく。
おわり