エアプよくない
エアプという言葉がある。
https://www.weblio.jp/content/amp/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%97
エアプレイヤーの略で、簡単に言えば「やってないのにやったような口を聞く、知ったかぶり」みたいな意味である。(完全にオタク用語なので別に知る必要はない)
オタク界隈で一番嫌われるのはこのエアプ勢だ。やってないゲームを実況動画や攻略サイトで見た情報だけで語るという行為は、バレるとオタクにボコボコに叩かれる。(ネットの中で)
このエアプ、割とオタク界隈の外にもよくいると思う。
例えば、「この芸人ほんとつまんねーなー」とか言う人前でネタやったことない人とか、「このラーメンクソまずいわ」とか言うラーメン作ったことない人なんかはマジでよく見る。
こういうことを言うのは損だと僕は思う。
それは周りに白い目で見られるから損とかそういう話じゃなくて、とりあえずやってみたほうがいいのに…と思うのだ。
とりあえずやっておけばエアプにはならないので一応の論理的な反論が可能になる。
しかしそれよりもっとずっと大きい理由として、人生がおトクに過ごせるというものがある。一度少しだけでもやっておくと、一線級でやってる人の凄さがめちゃくちゃ具体的にわかるようになるので、同じお金を払うのでも齧った人と齧ってない人とでは受け取れる経験の密度が全然違うと思うのだ。
具体的にいうと僕はほんのちょっとだけ、お笑いをやっていた事がある。漫才師としてお客さんの前に立ち、センターマイクを使って面白いことを喋る。
これ、実は想像の99999999999倍は難しい。僕も始める前は正直喋るだけと思ってたのだが、考えなきゃいけないことが死ぬほど多い。(間の取り方、表情の使い方、伝えたいフレーズのボリュームetc...)
しかもこれらのことを5分間、ネタを飛ばさず意識し続けなければいけない。この難しさは正直やってみないと絶対わからない。
しかしこれを少しでも齧っておくと、テレビで見るお笑い芸人の凄さがめちゃくちゃよくわかる。同時に「こんな凄いものをタダで観れるの…?マジで…?」と物凄くトクした気分になれる。
結果受け取った経験は所謂エアプの人と変わらないのに、その価値が人より高いのでおトクなのだ。
もう一つ具体的な例を出すと、僕はアーチェリーというマイナースポーツと、野球というメジャースポーツをやったことがある。
アーチェリーはマイナー故に結構いいところまで行けて、全国規模の大会にも何度か出たことがある。そこでの緊張感は未だに覚えてる。
同時に、野球はショボショボのカスだったのだが、とりあえずやってみたので打席に立つ感じとかはちゃんと覚えてる。
これを組み合わせると、全国規模の野球大会で打席に立つ感じが疑似体験できるのだ。
プロ野球なんかを見てると、「あーあの感じのもっとヤバいやつか…緊張するな…」とめちゃくちゃにのめり込んで楽しめるので、これも僕はめちゃくちゃおトクだと思ってる。(実際はどうかとか関係なく、思うだけなら自由なので)
エアプ勢でいることは、同じ値段でより価値の低いものを摂取してしまう可能性が常にあると思う。
僕はこれがなんか嫌なので何かを見てる時とかは「これエアプになってないかな…」とか考えているし、なんとなく気になってやってみたい!と思ったらとりあえずやってみることにしている。(あまりにダルすぎることはやらないけど)
そういう意味でエアプは良くないなーと思っている。